今回は『イレクターパイプにネジ穴を作る方法』を紹介します。
「イレクタパイプとジョイントパーツをネジ止めしたい」
「実際にタップを切ってみたけど、ネジがうまく止まらない」
という方、ぜひ参考にしてみて下さい。
イレクターパイプの厚みは「約2mm」
その内、半分はスチール素材。
もう半分はプラスチック素材で覆われている構造となっています。
プラスチックの部分にネジ穴を作ってもすぐに崩れてしまうので、実質、タップを切れるのはスチール素材の「1mm」の部分だけです。
ネジ穴を作るために十分な厚みとはいえませんが、一応、ネジ穴を作ることは可能です。
ただし、
という点に注意してください。
皿モミ加工とは、穴を円錐形状にくり抜く作業のことです。
一般的に皿モミ加工は、ネジ頭が飛び出ないよう隠すための作業ですが、もう一つメリットがあります。
それは、ジョイントパーツにしっかりとネジが密着すること。
もし、皿モミ加工をしていない状態でネジを締めこもうとしても、カーブしているジョイントパーツは、ネジ密着しません。
よって、すぐにネジが緩んだり、空回りしてネジをしっかり締めこむことができません。
今回は例として、M3用のネジ穴をイレクターパイプに作る手順を紹介します。
まずは、イレクターパイプに下穴を開けます。
今回は「3mm」のネジ穴を作るので、その穴より少し小さめの「2.5mm」の下穴を開けます。
ネジの大きさ | 下穴のサイズ |
---|---|
M2 | 1.6 |
M2.6 | 2.2 |
M3 | 2.5 |
M4 | 3.3 |
M5 | 4.2 |
M6 | 5 |
M8 | 6.8 |
イレクターパイプは硬いので、ハンドドリルで穴を開けるのは厳しいです。
安物で良いので、電動ドリルを用意してください。
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ネジ穴を作るには、『タップ』という工具を使います。
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M3用のタップドリルを時計回りに少しずつねじ込んでいきます。
あまり力を入れ過ぎると、タップドリルが折れてしまいます。
回しにくくなったと思ったら、反時計に回り少し戻して、もう一度ねじ込んでください。
根元まで入ったら、反対に回してタップを抜いてください。
実際に3mmのネジを入れて、ネジが入るか確認してみてください。
根元まで入れるとネジを潰してしまうので、途中までで大丈夫です。
ジョイントパーツに穴を開けます。
今回は、3mmのネジでパイプに取り付けたいので、少し大きい3.2mmのドリルを使います。
皿ネジの頭の大きさくらいのドリルを使い、ネジの頭が隠れるくらいまでドリルで穴を広げます。
3mmネジの場合、皿の大きさは約6mm。
皿モミに使うドリルの目安は「6.3mm」ですが、そのサイズのドリルは持っていないので、「6.5mm」のドリルを使います。
ネジの大きさ | 皿モミのサイズ |
---|---|
M2 | 4.4 |
M2.6 | 5.5 |
M3 | 6.3 |
M4 | 9.4 |
M5 | 10.4 |
M6 | 12.6 |
M8 | 17.3 |
※貫通させないように、少しずつ穴を大きくしてください。
実際にはめてみて、皿ネジがきちんと締まるかどうか確認してください。
もし「ネジがうまく締まらない」「クルクル回って空回りする」という場合は、パイプに対して垂直にタップが入っていなかった可能性があります。
もう一度、別の場所に穴を空けてやり直してみてください。
もしくは、タップドリルに問題がある可能性もあります。
海外製のタップを購入した場合や値段が安いタップを使用している場合は、タップドリルだけでも新しいものに交換してみてください。